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「いま、政府が進めている政策の中で、甘利大臣がやっているこの政策が一番評価が高いですよ。」
連合の幹部が、こう絶賛してくれたその政策とは 『適正下請け取引推進のためのガイドライン』 です。大企業は過去最高益を更新しながら中小企業は高騰する原材料価格すら転稼できないでいる。大企業の高収益を関係協力企業に少しでも還元し、WIN - WINの相互に資する関係を構築していく事が、長い目で見れば大企業の競争力、ひいては日本の競争力強化に繋がっていきます。
経団連に下請け取引の適正化について協力を要請すると共に経済産業省として業種別ガイドラインを作り、それに基づいてベストプラクティスを発掘し、それを横展開していく事としています。下請けにコストダウンを要請する時には、元請けからそれを可能にする改善提案をし、共有する事。金型の保管は下請けと話し合い合理的な基準を作り、元請けもコストを負担する事。汎用部品から補充部品に変わった時には単価を見直す事等々、良い事例集を積み上げているところです。
加えて資金繁忙期を迎える年度末対策として、原油高や建築基準法の影響を受けている業種に対してセーフティネット保障の適用を 6 月まで自動延長させる事。第三者保障のいらない国民生活金融公庫の融資を二千万から四千八百万まで拡大する事。さらには、売掛債権を手形同様、金融機関で割り引けるようにする事を可能にする制度等を構築してまいります。
さて、昨日 (2 月 29 日) 深夜、平成 20 年度予算案が衆議院を可決通過いたしました。4 月 1 日から国民生活に必要なお金ですから、3 月 31 日までに参議院の採決を経て、成立している必要があります。参議院側での一ヶ月の審議時間を考えれば、歳入法案ともども 2 月中に衆議院を通しておく必要があります。
今年の予算委員会審議時間は、昨年の 4 割増で八十数時間となり、史上初めて中央公聴会に加えて地方公聴会も開催し、あわせて四日間の集中審議をするなど、野党側の要求に極めて配慮した審議内容でした。エンドレスにやる訳にいかない以上、どの時点かで区切りを付けなければならない事は当然だと思います。従来と異なり、野党も責任を持たねばならない度合いが増えているだけに、冷静な議論が望まれます。
一人一人と接すると人柄の良い議員が結構居るのに、集団となると別人格に変わってしまうように思われるのは、野党の性なんでしょうか。「参議院では野党が政権党」 よく引用されるこの言葉を、ぜひ噛み締めてもらいたいと期待します。