総 覧
国会閉会中は政治日程が暖やかであると一般に考えられがちですが、実は現在は非常に緊張かつタイトな状況です。総理は南アフリカでの環境と開発に関する国際会議から帰国するや、落ち着く暇もなくアメリカの同時多発テロ一周忌追悼式典の参列し、ブッシュ大統領との首脳会談を行いました。帰国した後 17 日には日帰りで北朝鮮・金正日総書記との首脳会談です。そして同日夜から翌日の午後にかけて会談結果を山崎幹事長らと分析検討し、その情報と総理親書を携え、幹事長は副幹 9 人を従え 18 日より 23 日まで総理特使として中国を訪問します。このほうもんでは私が副団長を務めます。
一連のプロセスは密接につながっておりまして、南アの会議で日本は米国の孤立をおもいとどまらせる役割を果たし、日米会談では米が日朝会談に際して北朝鮮へプレッシャーをかけます。日朝会談の成果は日中会談の際に日本のプレゼンス (影響力の存在) をたかめる効果を持ちます。テロ国会に対する米の武力行使の可能性に怯えている北朝鮮は、なめきっていたはずの日本と会談に応じざるを得ない状況に追い込まれ、中国は北朝鮮を自身の外交カード (北朝鮮を多少なりともコントロール出来るのは中国だけでという) に使っていたのだが、日朝会談を歓迎しつつも本音では日本にしてやられたという思いに至る、というわけです。
緻密な戦略がそこにはあります。